Can Waste Heat Cool a Data Center? Graphic

冷却は、データセンター事業者が電力使用量を減らすうえで最も効果の大きい手段の1つです。一方で、電力と冷却を1つのシステムとして設計する場合は、最も難しい部分でもあります。今回の新しい事例では、欧州のエネルギーサービス企業Resaltaが、Modelon Impactを使って大胆なアイデアを検証しました。現地のガスタービン発電だけでデータセンターをアイランドモード(系統から独立した運転)で動かし、タービンの廃熱を使って冷却するという構成です。主な結果は、冷却に関わる電力が推定81%減るというものでした。ここでは、この結果が重要な理由と、エンジニアリングチームが学べる点をご紹介します。

なぜ廃熱でデータセンターを冷やすのか

現地の発電機は、必ず熱を出します。従来の設計では、その熱は大気中に捨てられ、冷却をつくるためにコンプレッサー式チラーが電力を使います。吸収式冷凍機はこの考え方を逆にします。熱エネルギー(今回はガスタービンの排気)で動くため、電力が必要なのはポンプ、ファン、その他の補機類だけです。系統電力に制約がある事業者や、系統に接続しない施設を建てる事業者にとって、電力と冷却をこのように組み合わせると、発電した電力のより多くをチラーではなくIT負荷に回せます。

Resaltaの結果の概要

  • 従来のコンプレッサー式チラーと比べて、冷却に関わる電力が推定81%減
  • 年間で約12.7GWhの電力を削減
  • モデル上の電力使用効率(PUE)は約1.1
  • モデルの準備とシナリオの評価にかかる時間が75%減(約1か月から約1週間へ)

これらの数字の根拠となったシステム構成、運転の前提条件、エネルギーフローの分析は、事例の全文で紹介しています。

データセンターのエンジニアリングチームへの3つのポイント

  1. 部品ではなく、システムとして評価する。 チラー単体のカタログ効率からは、熱源、排熱、負荷が同時に変化したときの挙動は分かりません。Resaltaは、ガスタービン、吸収式冷凍機、ドライクーラー、バックアップのヒートポンプを、つながった1つのシステムとしてモデル化しました。そこで初めて、実際の性能の全体像が見えてきました。
  2. 移り変わりを含めて、1年間を通してシミュレーションする。 季節ごとの気温の変化、IT負荷の増減、起動・停止、メンテナンス期間は、統合設計がうまくいくかどうかの分かれ目です。動的シミュレーションならこうした過渡的な挙動を捉えられますが、定常状態の表計算では捉えられません。
  3. 再利用できるモデルをつくる。 Resaltaは最初Excelで始めましたが、構想が広がるにつれて、相互に絡み合った数式の管理が難しくなりました。Modelon Impactでは、物理ベースの再利用できる部品を使えるので、新しい顧客案件ごとに、機器の性能マップや制御戦略を入れ替えるだけで済みます。ゼロからやり直す必要はありません。

詳しくはこちら

システムの概略図、エネルギーフローの分析、結果の詳細は、Resaltaの事例の全文をご覧ください。ご自身の施設の冷却コンセプトを検討中でしたら、Modelonのデータセンター向けソリューションについてもご紹介していますので、あわせてご覧ください。また、お問い合わせもお待ちしています。


訳について2点あります。

見出しは、原文のタイトルから訳しています。ブログの題に合わせて調整してください。

原文の書き出しは「ling is one of…」と文字が欠けていたため、「Cooling」と判断して訳しました。