火力発電ライブラリ
モデロン製の火力発電ライブラリ (Thermal Power Library) は、地域熱供給ネットワークを含む火力発電所の運転のための包括的なモデリング、シミュレーション、最適化のフレームワークを提供します。
火力発電ライブラリは過渡的なシナリオにおけるプラントの性能と限界を分析するのに理想的で、集光太陽熱発電、ガス、石炭、原子力などの新旧両方のエネルギー源をカバーしています。このライブラリは、再生可能エネルギー資源の利用増加による急激な負荷変動に対処するために必要な安全要件および制御システムの検証にも使用できます。
フレキシブルなモジュラーテンプレート構造により、適切な忠実度レベルで効率的かつ効果的なモデリングが可能になります。高速かつ数値的にロバストなモデルを利用できるため、お客様は大規模システムを効率的にシミュレートして最適化できます。企業規模にかかわらず、火力発電ライブラリはコンセプト設計の初期段階で複数の動的デザインの挙動研究を実施することに適しています。
火力発電ライブラリをモデロンのOPTIMICA Compiler Toolkit(システム設計用のModelica・FMIベースの計算プラットフォーム)と連結することで、プラントのスタートアップシナリオや地域熱供給の生産計画などのユースケースにおいて、お客様は難しい動的最適化問題を解決するためにPythonインターフェイスを利用することができます。

エネルギー貯蔵、蒸気サイクルおよび制御システムを含む完全な太陽熱発電システムのモデル。上部の数値は定常状態でのプラント全体の効率を示している。
利点
- 多彩な設計と分析が可能なアクセシブルなコンポーネントモデル
- 新旧のエネルギー源のモデル化に使用
- 新規プラントの概念、独自のレイアウト、および新規研究概念の評価をモデル化するための柔軟な構造
- 起動順序、プラント全体の制御設計、および緊急事態のシミュレーションコントローラーチューニングをモデル化する能力
- 大規模システムの高速シミュレーションと動的最適化のための数値的に効率よくロバストな媒質/媒体モデル
- 迅速なモデル開発に使用される定義済みのテンプレート
- 単一のモデルで動的および定常状態シミュレーションが可能-生産性の向上と時間の節約
適用事例
火力発電ライブラリは、あらゆるタイプの火力発電所の性能解析と最適化を可能にします。
具体的な適用事例は次のとおりです。
- 制御システムの開発と検証 -再生可能エネルギーの利用増加による急激な負荷変動に対処する制御方式の開発
- CCS(二酸化炭素貯留)技術-CCSプラントの経済性と安全性に関する様々な設計や運用オプションの結果予測
- 地域熱供給-ネットワーク内の製造ユニットの最適なスケジューリングによる、お客様の熱需要の確保とプラントの利益の最大化
- 小型モジュール式原子炉(SMR))-技術的に洗練されたアセンブリ、厳しい安全要件、大規模な設計コラボレーションに対する需要への対応
- 太陽熱発電所-過渡的状態での様々な蓄熱構成と制御方法の分析
- 火力発電所の最適化-電力市場における再生可能エネルギーのより高いシェアの統合と、需要と生産のバランスの維持