熱交換器ライブラリは、インタフェースを備えた熱交換器の設計・解析用の環境を提供し、システムモデルの統合を容易にします。このライブラリには、プレートやマイクロチャネルタイプなどのコンパクトな設計に重点を置いた多数のジオメトリベースの熱交換器が含まれています。冷媒などの二相媒体と、非圧縮性液体、空気または加圧ガスなどの単相流体の両方がサポートされています。

熱伝達および圧力損失の計算には、公開文献による係数か、また、ユーザーが実験データをキャリブレーションして得た運転点における値を用いることができます。ライブラリのオープン性により、ユーザーはライブラリに含まれる利用可能なサブコンポーネントやテンプレートに、組織内の知識に基づいた独自のモデルを組み込むことができます。

熱交換器ライブラリのキーポイントの1つは、性能に対するそれぞれの位置の影響を調べるために、熱交換器を手軽に直列セットアップできることです。熱交換器内の温度および流速分布をシミュレーション結果として得ることができます。また、これらの分布を2D境界条件として、例えばCFDデータから直接与えることも可能です。一般的な例は、車両のフロントグリル開口部の後方に位置するエアフロー中の熱交換器スタックです。

熱交換器ライブラリは、蒸気サイクルライブラリ液体冷却ライブラリとシームレスに統合され、エネルギー輸送、冷却、加熱、冷凍および熱生成を含む完全な熱管理アーキテクチャをモデル化します。

リリース情報
製品シート
部分的な重なりと障害物を持つ2つの積み重なった熱交換器のモデル。たとえば、車やトラックの空気流量を調べるために使用できます。

利点

  • 構造ベースの熱交換器モデルにより、設計の初期段階におけるシステムレベルのシミュレーションが可能で時間とコストを節約。お客様によるルーバー・フィンの設計が可能な規定義の摩擦と熱輸送モデル
  • 実験データのキャリブレーションと社内の知見統合をサポート
  • より高精度なシミュレーションのための不均一な空気取り込みの捕捉効果
  • CFDとシステムシミュレーションの橋渡し CFDから得られた空気サイドの境界条件を利用可能
  • 様々な熱交換器の構造、サイズ、ポジショニングを考慮しながらの熱交換器スタックをモデリング。空調ライブラリ、蒸気サイクルライブラリ、液体冷却ライブラリとの自然な複合利用による完全な熱管理設計

適用事例

熱交換器スタック

熱交換器スタックは流体回路間の重要な結合点です。熱交換器ライブラリは、エアフローの流管アプローチを使用して、スタック可能な詳細なジオメトリベースのモデルを提供します。このアプローチにより、スタック内の各熱交換器の不均一な条件が保持されます。

ライブラリに含まれる熱交換器モデルは、均一・不均一なエアフロー流入量に対応しています。これは、合理的な数の流管に対して駆動サイクルの動作をサポートするのに十分有効です。

Modelicaの統合車両熱管理に関する技術論文では、熱交換器スタックシミュレーションの結果が冷却ユニットのコンセプト評価をサポートしていることが述べられています。

Streamtube approach and sample stack from the Heat Exchanger Library

熱交換器ライブラリからのStreamtubeアプローチとサンプルスタック

熱交換器の寸法決定と設計

幅広い種類の熱交換器モデルを含む熱交換器ライブラリは、熱交換器設計のための参照用ツールとして使用可能です。テストベンチは簡単に利用可能で、モデリング時間とシミュレーションセットアップ時間の両方を短縮することができます。

アクティブグリルシャッター

熱交換器ライブラリは、アクティブグリルシャッターの制御方式の開発に適したツールです。

熱交換器は流体回路と周囲空気との間の物理的境界となります。これは、熱交換器の性能が基本的なシステム効率に影響を与えるだけでなく、空気側にも影響を及ぼすことを意味します。自動車では、グリルシャッターを閉じて空気取入れ面積を減らすと車両の抗力係数が減少するというトレードオフが顕著に表れます。熱交換器ライブラリ用いると、CFDの結果とシステムモデルを熱交換器モデルにより統合することで、この相互作用を調べることができます。

インタークーラー設計

インタークーラーは燃焼機関の容積効率を改善するための重要な要素です。熱交換器ライブラリには、空気対液体のインタークーラーまたは吸気冷却器を簡単にパラメーター化して表現するための幅広いアプリケーション固有のモデルが含まれています。

熱交換器ライブラリは、詳細な熱交換器モデルを必要とするすべてのアプリケーションで使用されています。

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