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CO2排出量を削減するための航空機システムシミュレーション

Michael Sielemann January 12, 2021

航空機システムシミュレーションソフトウェアは、二酸化炭素排出量を削減するために電動航空機を設計する企業にとって不可欠で、その課題解決に弊社のModelon Impactが役立つでしょう。本ブログでご紹介する内容は以前、欧州連合Horizon 2020研究開発プログラムにおけるClean Sky 2合同事業が発行するSkylineで公開されたものと同様です。

COVID-19により旅行が制限される中でも、航空宇宙企業各社は、性能と効率のニーズを満たす航空機の設計に継続して取り組んでいます。高い性能を維持しながらエミッションを削減するという長期的な要求は変わっていません。モデロンの技術で、この研究分野の先導や前進を目指す公益と民間産業との間のギャップを埋めることが可能です。

何十年もの間、航空宇宙企業各社は、新しい熱交換器や電気駆動装置などのコンポーネント技術に焦点を当てることでエミッション削減に取り組んできましたが、今日、これだけでは意味をなさなくなっています。モデルベースのシステムエンジニアリングは、全体のシステムがどのように作用するかを理解する鍵となります。航空機システムシミュレーション用のモデロン製ソフトウェアは、Modelicaのオープンスタンダードに基づいており、この高度な研究に革新をもたらします。

「モデロンのModelicaベースの技術は、産業界におけるエキスパートエンジニアチームとともに、統合された航空宇宙設計を先導しています。CleanSkyプロジェクトでは、モデロンがTRADE(Turbo electRic Aircraft Design Environment、ターボ・エレクトリック航空機設計環境)研究プロジェクトのコーディネーターとして任命されました。大変光栄なことです」(Michael Sielemann、Modelon)

過去3年間、メーラルダーレン大学(スウェーデン)、ノッティンガム大学(英国)、ベルリン大学(ドイツ)とのコンソーシアムは、ハイブリッド電気航空機のシステム設計と統合のための計算モデルに取り組んできました。この研究開発は、ブースト・ターボファンエンジンのコンセプトといった、ガスタービンエンジンのファンに電力を追加するための電気機器とバッテリの機能の構成と解析に焦点を当てていました。このコンセプトをもったモデルにより、業界のエンジニアたちは航空機システムシミュレーションの効率に対するニーズについての知見を得ることができます。

航空機設計におけるブースト・ターボファンエンジンのコンセプト

ブースト・ターボファンのコンセプトは、標準的なターボファンガスタービンエンジンの基本構成を特徴としています。「ブースト」は、ガスタービンのスプールまたは付属のドライブシャフトに取り付けられた電気駆動装置に由来します。ブースト・ターボファンのコンセプトを使用する利点は次のとおりです。

  • 簡単な設置:航空機の全体設計は、多くの変更を必要としません。たとえば、航空機の翼の下にポッドエンジンを取り付けることができます。
  • 簡単な解析:航空機の設計には依然として一般的な推進装置があり、コンポーネントは通常同じ場所にあり、ジェット燃料と電気エネルギーのバランスは電動化ガスタービンで局所的に発生します。
 

航空機システムシミュレーションとサブシステムの開発

このコンセプトを研究するために、コンソーシアムは、ハイブリッド電気航空機のより忠実な解析モデルを備えたシミュレーションおよび最適化設計プラットフォームを作成しました。モデロンの航空機ダイナミクスライブラリ(Aircraft Dynamics Library)には、ブースト・ターボファンのコンセプトを検証するための忠実度と抽象化レベルだけでなく、複数のアーキテクチャとトポロジを構築・階層化する柔軟性が備えられています。

Aircraft System Simulation models from the experiment.

図1:モデル事例

図1は、次に挙げる1機の航空機と周囲のモデルを表示する簡単なシミュレーションモデルを示しています。

  • 地面と周囲の条件を含む、平らな陸地または球面座標系。
  • 機体、動力および推進システム、二次動力を含むパラメトリック航空機モデル。
  • ランディングギア。

Modelicaベースの技術により、多層式構成が可能に。専門的な解析ができるよう特定のモデル構成から完全なアーキテクチャを分離します(図2)。

Aircraft Design architecture from the model configuration.

図2:完全なアーキテクチャテンプレートと特定のモデル設定との分離

モデロンのジェット推進ライブラリ(Jet Propulsion Library)と電動化ライブラリ(Electrification Library)により、コンソーシアムはパラメトリックサブシステムモデルを実装できました。全体のシステムとすべてのサブシステムが配置されると、ブースト・ターボファンのコンセプトを試験、検証できるようになります(図3)。

Testing and Validating The Boosted Turbofan Concept Emission Reductions

図3:ブースト・ターボファンのコンセプト – 試験と検証

ブースト・ターボファンとターボ・エレクトリックコンセプトのTRADEモデルとエンジニアリングの知見は、より確立された航空機システムシミュレーションコンセプトのエンジニアリングをすでに習得している航空機設計者らーエアバスおよびドイツ、フランス、オランダの航空宇宙センターの技術者など-に提供されました。

 

Modelon Impactによるエミッション削減の知見を得ることが可能に

弊社モデロンには将来に向けた大きな計画があります。システムの設計と統合に20年以上携わった後、弊社はクラウドベースのシミュレーションプラットフォームであるModelon Impactをリリースしました。将来の物理システムの設計と統合がより複雑なエンジニアリングの新時代が到来していることは明らかです。これまでは、物理モデルツールチェーンのギャップや参入障壁の高さから、多くの企業・団体がシミュレーションのメリットを十分に活用できていませんでした。航空機のシステムシミュレーションに焦点を当てることで、航空宇宙企業各社はModelon Impactによるエミッション削減の知見を見出すことができました。Modelon Impactは、コラボレーションを促進し、システムのモデル化とシミュレーションに価値を生み出す新しいプラットフォームです。より多くの知的精神はより多くの経験、創造性、そして最終的にはより良い結果をもたらします。

このプロジェクトは、助成金契約番号755458に基づく欧州連合のHorizon 2020研究開発プログラムに基づくClean Sky 2 合同事業から資金提供を受けています。


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